この問題の状況をイメージできるように、ちょっと頑張って図を描いてみました。
どうぞご参考にしてください。
物理のエッセンス解説 力学 9番 P13
物理のエッセンス 赤 力学・波動編 13ページ 9番
を参照してください。
問題 力学9番
図のように $x-y$ 座標を取り、その斜面上で $x$ 軸と角度 $\alpha$ になるようにボールを打ち出しました。
$y$ 軸のとり方に注意してください。
ボールは斜面上を運動し、飛び出したりしません。
このとき、ボールが最高点に達するまでの時間 $t$ を求めよ。
というのが問題になります。
要は、図のように青い板を水平面から角度 $\theta$ だけ傾けた斜面上で、ボールを打ち出したというだけのことです。
解説
問題の意図する状況が理解できてイメージできさえすれば、それほど難しい問題ではありません。
では、解説に入りましょう。
ボールは斜面上を「放物運動」します。
まず、斜面上での初速度 $v_0$ を $x$ 軸と $y$ 軸方向に分解します。
さて、ここからどうするか・・・ですが、ちょっと視点を変えて $x$ 軸の方向から眺めてみましょう。
そこで、斜面上を運動している物体にはたらく重力を $y$ 軸方向と斜面に垂直な方向に分解します。
図で明らかなように、重力の斜面に垂直な方向の力 $mg \cos \theta$ と垂直抗力 $N$ は打ち消し合います。
このとき、斜面上の世界を考えてみます。
この世界では、重力加速度は斜面方向だけを考えればよく、その大きさは重力加速度 $g$ の $y$ 方向を考えて、$g\sin\theta$ となります。
では次の図を見てください。
そうすると、正負も考えて、この世界での重力加速度は $-g\sin\theta$ で、$y$ 軸方向の初速度を $v_0\sin\alpha$ と考えれば良いことになります。
解き方は普通の斜方投射と同じです。ただ、重力加速度を $-g\sin\theta$ とするだけです。
最高点では $y$ 軸方向の速度が $0$ となることから、最高点に達するまでの時間を $t$ とすると、$v=v_0+at$ より、
$0=(v_0\sin\alpha)+(-g\sin\theta)\times t$
$t=\dfrac{v_0\sin\alpha}{g\sin\theta}$
となります。
もしも、最高到達点の高さを聞かれた場合は、
斜面上での最高到達点の高さ( $y$ の値)を求めて、それを $\sin\theta$ 倍すればよいでしょう。
その他、応用的な問題がでても、
理解できていれば対応可能なはずです。
頑張りましょう!
エッセンスを終えたら、
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