摩擦力の向きは運動する方向といつも必ず逆向きですよ・・・というように思っていませんか?
普通一般にはそれでよいのですが、状況が違えばまた違った場合もあります。
摩擦力の向きは常に運動方向と逆向きか?
図のような場合を考えましょう。
滑らかな面上におかれた台Bの上に小物体Aがあり、Bを図の右に引っ張っています。いま、AとBとは一体となって右に加速運動しています。このとき、AがBから受ける摩擦力の向きを答えなさい。
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答え
この場合小物体Aの受ける摩擦力の方向は図の右方向です。
多くの人がAが受ける摩擦力の方向を小物体の運動方向と反対向き・・・上の設定では左向きとする間違いをおかしています。
これは、「摩擦力の働く方向は運動する向きとは逆」という考えが染み付いているためです。
確かにAは床に制止している人から見て、図の右向きに運動していますからそう考える人がいても無理はありません。
この問題では、Aは右向きに加速運動しています。
ニュートン運動の第2法則は、F と a の方向は必ず一致するということことを言っています。
つまり、Aは運動方程式 ma=F より加速度 a の向きに力を必要とします。
この場合その力がAが台より受ける摩擦力というわけです。
一方このとき、Bの受ける摩擦力は左向きです。なぜならば小物体の受ける摩擦力Fと作用反作用の関係にあるからです。
この場合、Bは図の右向きに運動していますから、摩擦力が図の左向きにかかるというのは納得しやすいですね。
動画解説
以下の動画では物理のエッセンスの力学編47番と48番について解説しています。
次はもう少し難しくした物理のエッセンス 力学編 48番です。小物体AがB上をすべる場合です。この場合、ABはそれぞれ違う加速度で運動することに注意します。この場合もAの受ける摩擦力の向きは右向きになることに注意しましょう。
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