2020年で最後になるセンター試験
ここではセンター物理で高得点を取るための一般的な注意事項について考えて見ましょう。
物理は 100 点が狙える科目です。(しかしその逆もありますね・・・orz)
ここでは限りなく満点に近づくためにすべきこと・注意点について考えていきます。
センター試験
専門物理を受験するという前提でお話します。(物理基礎ではありません)
まず第一に、専門物理のセンター試験は他の教科目と違う大きな特徴があります。
専門物理の試験について
物理についてはちょっと気をつけるべきいくつか点があります。
配点
その一つはズバリ・・1 問 1 問の配点の高さです。
物理の配点の高さは他の教科にはまず見られない物理だけの特徴的なものです。
その配点はなんと 1 問 4 点 ~ 5 点、問題数で 20 ~ 25 問程度。
この高配点では、ちょっとした計算ミスや勘違いが命取りになります。
長い計算のはてに求められる答えも、すぐわかるような問題も 4 点から 5 点なのです。
なぜこのようなことが長年続けられてきたのか?・・・理解に苦しみますが、現状そうなっているので仕方がありません。
そして、2 問目 3 問目で最初の答えを使う設定の問題の場合、最初に間違えたら悲劇です。
つまり、わかっているのに・・・大問の殆どを落とした!・・・なとど言うことも起こりうるのです。
毎年、実力はあるのに、こうした悲劇に見舞われる受験生は多いのですよ。
問題の内容
もう一つは・・・試験の内容です
これは、平均を 6 割に押さえたい出題者側の思惑が入ります(センター試験の平均点は 6 割程度が理想とされます)。
そして物理に関しては、他教科と比較しても物理の受験生のレベルは高いと考えられます。
ちょっと想像してください。
数学ⅠやⅡはほぼ全受験生が受験しますよね。
母数が非常に多いのです。
物理は?・・・ほぼ 100 % が理系のバリバリの受験生だと予想されます。
わざわざ、文系の生徒が物理を選択することはまずありません。
皆さんも聞いたことがないと思います(物理基礎は除く)。
そうすると、彼らは理学系・工学系あるいは医療系などを志望しているはずです。
当然二次試験でも物理を必要とする受験生が大半です。
将来は大学で物理を使うことも多いでしょう。
つまり物理が苦手では話しにならないのです。
その受験生たちが、物理のセンター試験の範囲「教科書に載っていることのみ」の「標準的で素直な問題」で受験すれば、高得点が続出する可能性が高いのです。
そうなると平均点が 6 割をはるかに超えてしまう!・・・ということになりかねません。
だから平均点を押さえるためにやさしいけど難しい・・・禅問答のような問題が出る可能性が大きいと考えてください。
一昔前は、それこそ引っ掛けか!・・・というような問題も多く見られたのですが、近年センター物理は非常によく練られていて、物理の本質をつくような良問が多く出題されます。
もはや付け刃では対応できないのです。
解法のパターンを丸暗記・・・・では玉砕するのが目に見えています
大問について
専門物理のだいたいの出題傾向として、大問は「小問集合」「力学」「電磁気」「波動または 熱力学」が出題されます。
そして、選択問題として「熱力学または 波動」「原子物理」から 1 問選択となるのがこれまでの傾向です。
小問集合
小問集合は、ややなめていると思われる受験生も多いのですが、正直いってここで失敗する受験生があとを絶ちません。
意外というか、見た目よりもかなり難しいのです。
物理の本質をつくような良問もよく出題されます。
本ブログでは小問集合で出されるような問題についても多く解説していますので参考にしてください。
物理の受験生全般に言えることですが、専門用語についてきちんと理解して自分の言葉で説明できない人が多く見られます。
小問集合だけでなく他の分野の理解についても、専門用語の理解は不可欠ですのでしっかり学習しておきましょう。
用語や原理などを正しく自分の言葉で語れないということは極論すれば物理の解き方を覚えているだけで本質を理解していないとも言えるかもしれません。
力学
絶対に出題されます。
公式をいくら覚えたところで、それを当てはめるだけ・・・のような問題はまず出ません。
力学の分野は、特に深い理解を求められることが多いのです。
直感とは逆の現象なども多く取り上げられます。
問題集を解くことだけでは不十分なのです。
基本をどれだけ理解しているかが問われます。
そのためには、教科書や参考書をよく読み込むことが必要です。
問題演習を一通り終えたら、もう一度教科書や参考書の基本事項に立ち返りましょう。
電磁気
力学の次によく出る分野です!
範囲も広く、十分な準備が望まれます。
センターの電磁気では二次試験で要求されるような高度な計算は必要ありませんが、そのかわり本質をどれだけ捉えることができているかが問われます。
グラフを選択させる問題もよく出ます。
また、電磁気学ではいわゆる「公式」をある程度暗記することも必要です。
それは、導出に時間がかかったり、その過程が難解であることが多いからです。
しかし、その式の持つ物理的な意味はちゃんと押さえておきましょう。
波動・熱力学
波動分野は苦手にしている受験生が多いイメージです。
実は波動分野基礎は力学分野(等速円運動や単振動)の知識や理解が要求される分野でもあります。
その上で波動特有の現象についてきちんと基礎を理解できているかどうかが大事なのです。
干渉・回折など、波動特有の現象についてしっかりと理解しておきましょう。
熱力でよく出題されるグラフ問題や内部エネルギー・仕事・吸収熱量の正負を問う問題などは直感で選ぶと間違える確率が高くなります。
きちんと理屈・数式で考えるべきなのです。
また、熱力学は難しいと思われているようですが、ちゃんと演習すれば大丈夫です。
原子物理
現役受験生は、中高一貫校などで学校のカリキュラムが受験用に特化している場合を除いて、3年生もほぼ終わりの頃に学習する範囲です。
したがって、他の分野の学習で手一杯でここまで行かなかった・・・という現役生は多いのです。
しかし、内容は他の分野に比較すると簡単です。(ただし、力学や電磁気がちゃんと理解できていればの話ですよ)
そして、割と短時間で学習できます。
だから現役生もこの分野を捨てるのはもったいない!・・・そして、年度にもよりますがセンター試験もこの範囲の問題はかなり易しめです。
さらに、原子物理分野は近年2次試験での出題比率が上昇中です。
原子分野でセンター試験対策を行うことは決して無駄にはなりません。
また、浪人生は十分にこの分野に対して訓練を積んできているはずです。
希望的観測で出ない出ない・・・と思っていても、もし出題されたら・・・十分な準備をした人に対して圧倒的に不利な状況に陥ることになります。
今は、選択問題ですが、小問集合で出る可能性もあります。
また、選択問題じゃなくて、大問で出題されても文句は言えないところです。
最後に
問題集や過去問ばかりを重視して教科書を軽視する受験生が多く見られます。
もちろん問題演習は非常に重要です。
しかし、基礎理解あってこそなのです。
最後・試験前にはもう一度教科書や参考書に立ち返ることが非常に大事です。
そのときに、ふっと腑に落ち、納得できる瞬間がやってきます。
この https://kokolainen.com のブログでは受験生の皆さんのお手伝いをいたします。
疑問等の質問をコメント欄等でお知らせください。
できるだけ解答差し上げるつもりです。
また、センター試験前には「小問集合」対策のページなどを掲載します。
よろしければ御覧ください。(リンクしました!!)
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