力学に限らず、物理では図を正確に描くことは大切なことです。
図を正確に描くことで、計算せずとも答えがわかったり、考える道筋を見つけることができます。
物理のエッセンス力学編20番
問題概要
図で、物体にはたらく垂直抗力 $N$ と糸の張力 $T$ の大きさを求めます。
物体の質量 $m$ 、重力加速度 $g$ とします。
解説
力学の力のつり合いを考える問題では、図を丁寧に正解に描くことが重要です。
図を適当に描く人が、かなり多い印象です。
ベクトルの大きさ・向きなど正確に描くように気をつけましょう。
正確に図を描くと次のようになるはずです。
垂直抗力は接線に対して垂直に描きます。参考 ⇒ いまさら聞けない!垂直抗力はなぜ垂直なのか?
そうすると、垂直抗力を伸ばすと O を通ります。
図を描いていると次のことに気がつきます。
- 物体とA・Oを結ぶ三角形は正三角形。
- 辺AOは水平。したがって、垂直抗力 $N$ と糸の張力 $T$ の大きさは同じ。
ゆえに、
$N=T$
つり合っているわけですから、次のような図を考えます。
図形は平行四辺形(この場合はひし形)。
よって、次の式が成り立ちます。
$N\cos 30 ^{\circ}\times 2=T\cos 30 ^{\circ}\times 2=mg$
これを解いて、
$N=T=\dfrac{mg}{\sqrt{3}}$
この問題では、図形に気がつけば暗算でできますね。
学校の定期テスト・センター試験・共通テストなどで、
図を描くだけで答えがわかってしまうものけっこうあります。
コメント