オイラーの公式
$e^{ix}=\cos x+i\sin x$
人類の至宝とも呼ばれるオイラーの等式
$e^{i\pi }+1=0$
今回は「オイラーの公式」を導いた上で、「オイラーの等式」を確かめてみましょう。
高校数学でわかる!オイラーの公式を導こう
ここでは予備知識として、マクローリン展開を使います。
詳細については、こちらへ
マクローリン展開
導出は、この記事「高校数学でわかるマクローリン展開」で考えたマクローリン展開を使えば簡単にできます。
なにはともあれ、まずはマクローリン展開の復習から。
$\begin{split}f(x)=& f(0)+\dfrac{f^{\prime}(0)}{1!}x^1+\dfrac{f^{\prime\prime}(0)}{2!}x^2\\\\
&+\dfrac{f^{\prime\prime\prime}(0)}{3!}x^3 +\cdots + \dfrac{f^k(0)}{k!}x^k + \cdots \end{split}$
でした。
この詳細については「高校数学でわかるマクローリン展開」を参照してくださいね。
ではここで、$\sin x$、$\cos x$、$e^x$ のそれぞれについてマクローリン展開をしかけます。
$\sin x$
まず $\sin x$ から
$f(x)=\sin x$ | $f(0)=\sin 0=0$ |
$f^{\prime}(x)=\cos x$ | $f^{\prime}(0)=\cos 0=1$ |
$f^{\prime\prime}(x)=-\sin x$ | $f^{\prime\prime}(0)=-\sin 0=0$ |
$f^{\prime\prime\prime}(x)=-\cos x$ | $f^{\prime\prime\prime}(0)=-\cos 0=-1$ |
$f^{\prime\prime\prime}(x)=\sin x$ | $f^{\prime\prime\prime}(0)=\sin 0=0$ |
したがって、
$\begin{split}f(x)=& f(0)+\dfrac{f^{\prime}(0)}{1!}x^1+\dfrac{f^{\prime\prime}(0)}{2!}x^2\\\\
&+\dfrac{f^{\prime\prime\prime}(0)}{3!}x^3 +\cdots + \dfrac{f^k(0)}{k!}x^k + \cdots \end{split}$
より、
$\sin x= 0+\dfrac{1}{1!}x^1+0+\dfrac{-1}{3!}x^3 +0+\cdots \cdots$
$~~~~~~~~=x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\cdots \cdots $
$\cos x$
次に $\cos x$
$f(x)=\cos x$ | $f(0)=\cos 0=1$ |
$f^{\prime}(x)=-\sin x$ | $f^{\prime}(0)=-\sin 0=0$ |
$f^{\prime\prime}(x)=-\cos x$ | $f^{\prime\prime}(0)=-\cos 0=-1$ |
$f^{\prime\prime\prime}(x)=\sin x$ | $f^{\prime\prime\prime}(0)=\sin 0=0$ |
$f^{\prime\prime\prime}(x)=\cos x$ | $f^{\prime\prime\prime}(0)=\cos 0=1$ |
$\cos x= 1+0+\dfrac{-1}{2!}x^2+0+\dfrac{1}{4!}x^4+\cdots \cdots $
$~~~~~~~~= 1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\cdots \cdots $
$e^x$
では、今度は $e^x$ をマクローリン展開
$f(x)=e^x$ | $f(0)=e^0=1$ |
$f^{\prime} (x)=e^x$ | $f^{\prime} (0)=e^0=1$ |
$f^{\prime\prime} (x)=e^x$ | $f^{\prime\prime} (0)=e^0=1$ |
$f^{\prime\prime\prime}(x)=e^x$ | $f^{\prime\prime\prime} (0)=e^0=1$ |
より、
$\begin{split}
e^x= 1+\dfrac{1}{1!}x^1+\dfrac{1}{2!}x^2+\dfrac{1}{3!}x^3 +\cdots
\end{split}$
$e^{ix}=\cos x + i \sin x$
次に、$x\rightarrow ix$ とします。
そうすると、
$\begin{split}
e^{ix}= 1+\dfrac{1}{1!}{(ix)}^1+\dfrac{1}{2!}{(ix)}^2+\dfrac{1}{3!}{(ix)}^3 +\cdots
\end{split}$
ここで式を次のように変形します。
$e^{ix}= 1+\dfrac{1}{1!}{(ix)}^1+\dfrac{1}{2!}{(ix)}^2+\dfrac{1}{3!}{(ix)}^3 +\cdots$
$~~~~=1+\dfrac{ix}{1!}-\dfrac{x^2}{2!}-\dfrac{ix^3}{3!}+\cdots$
$~~~~=\left(1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\cdots\right)+i\left(x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\cdots\right)$
ところで、
$\sin x=x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\cdots \cdots $
$\cos x= 1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\cdots \cdots $
でしたから、これらを代入して、
$e^{ix}=\cos x +i\sin x$
です。
これがオイラーの公式と言われているものです。
$e^{i\pi}+1=0$
さて、 $e^{ix}=\cos x +i\sin x$ において、$x=\pi$ としてみましょう。
そうすると、
$e^{i\pi}=\cos \pi +i \sin \pi$
$~~~~~=-1+0$
したがって、次のオイラーの等式が成り立ちます。
$e^{i\pi}+1=0$
まとめ
$e^{ix}=\cos x + i \sin x$ オイラーの公式
$e^{i\pi}+1=0$ オイラーの等式
なんとも・・・ 虚数 $i$ と円周率 $\pi$ 、そしてネイピア数(自然対数の底) $e$ がこのような形で出合うとは・・・・!
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