いまさら聞けない!重さと質量はどこが違うの?

Pexels / Pixabay

子供のとき、質量という言葉は知っていたけど、重さ(重量)と違うなんて思いもしなかった。
しかも、物理量としては次元の違う概念なんです。
でもこの違いは、とても難しいことなのですが、あまり重要視されているようには思えません。

いったい重さと質量はどう違うのか解説します。

スポンサーリンク

重さと質量

重さ

重さとは何でしょうか?
そんなこと簡単だよ!と思ったあなた。本当にそうですか?
わかっているようで、よーく考えると実はあいまい・・・などということはよくあることです。

重さとは、物体に作用する万有引力(重力)の大きさです。力の大きさですから単位はN(ニュートン)です※。
重力の変化によって重さは変わりますから、地球上で質量60kgの人は月面では重力が地球の約1/6ですから重さは約1/6(約100N)になり、軌道上のISSの中では、ほぼ重さはなくなります。(ママ)

出典 JAXA (https://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/98.html)

質量

では質量とは何でしょうか?

質量とは物質の動きにくさの度合い、つまり慣性の大きさのことです。ですから物質の質量は地球上でも、宇宙空間でも、月面でも変わりません。質量の単位はkgです。

出典 JAXA (https://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/98.html)

重さと質量の違いですが、なんだかわかったようでいまひとつピンとこない人も多いのではないでしょうか。
だいたい普通、日常では「重さ」も「質量」もほぼ同じ意味で使いますよね。
単位は質量が kg 、重さが N(ニュートン)ですが、ちょっと前まで(今でも)は重さの単位として、 kgw やkgf 、kg重 なども使われていました。
これが、混乱する元なのかもしれません。

1 kg の質量のものにかかる重さを 1 kg重 などとしていたものですから・・・。同じことを言い換えているだけと思ってしまっても仕方がないかもしれません。

スポンサーリンク

質量とは

aitoff / Pixabay

もう一度考えます。質量とは何でしょうか? 物理基礎の最初で質量が当たり前のように扱われるので、なんとなくわかった気になってしまいますが、これは非常に難しい概念です。歴史上ちょっと前まで、質量という概念は確定しておらず、したがってあいまいな記述も見受けられました。

問題

ここで次の問題を考えてみましょう。

宇宙空間でカラの弁当箱と中身の詰まった弁当箱があります。この弁当箱は外見がそっくりなので見分けがつきません。この弁当箱をふたを開けずに区別することを考えてください。あなたならどうしますか?もちろん、においもわからないものとします。



ニュートンの運動方程式によれば、$ma=F$ から $m=\dfrac{F}{a}$  とかくことができます。
すなわち、質量 $m$ とは、物体にかけた力とそのときに生じる加速度により測定することができるともいえます。

宇宙空間は無重量だから、弁当箱を手に持ってみても重さは感じません。しかし、中身の詰まった弁当箱は空の弁当箱に比べると、その質量が大きいといえるでしょう。

だから、無重量で空間にふわふわと「浮いている」弁当箱を力を加えて加速してやればいいのです。
同じ力を二つの弁当箱に加えた場合、中身の詰まったほうの弁当箱の加速度が小さいはずです。つまり、同じ力で押してやると、カラのほうが速くなるはずです。

また、押す手ごたえも違いますね。こうして、質量の違いを知ることができるのです。

手ごたえが違うということは、質量が大きいものほど動きにくい(加速しにくい)ということです。つまり、慣性(動きにくさを表す)が大きいのです。したがってこの場合、この方式により測られる質量を慣性質量というのです。

質量・・・地球上でも月でも宇宙船の中でも変わらない量
重さ・・・場所で変わる量 宇宙船の中では重さは 0

重さとは、地球や月などがその物体を万有引力で引くときのその力の大きさのことなのです。
このとき、例えば、ある物体の地球上で重さ(地球が引く力)を1 kgw と決め、その物体の質量を 1 kg としたのです。この方式で測る質量を重力質量といいます。

スポンサーリンク

結局重さと質量とは

Pexels / Pixabay

結局、質量とはその物質を作る原子分子などの量そのものです。ですので、どこへ行っても変化することはありません。しかし、重さは、万有引力の大きさですから、力の大きさです。つまり、私たちが物を押したり引いたりするときの力の大きさと本質的には変わらないということです。
また、重さは万有引力の大きさですから、場所で当然変化します。

こうかいても、まだもやもやしますね。結局、質量とはこういうものなのだということを受け入れることなのです。この世の物質は、質量を持つ、ということですね。それはヒッグス粒子との関係で説明されますが、極論すればやはりなぜそういう仕組みになっているかはわからないのです。

また、慣性質量と重力質量とは違うものですが、その値は不思議なことに一致しています。これに物理学的な意味を見出したのがアインシュタインですね。すなわち、一般相対性理論です。

20世紀物理学史【上巻】―理論・実験・社会― | ヘリガ・カーオ, 岡本 拓司, 有賀 暢迪, 稲葉 肇 |本 | 通販 | Amazon
Amazonでヘリガ・カーオ, 岡本 拓司, 有賀 暢迪, 稲葉 肇の20世紀物理学史【上巻】―理論・実験・社会―。アマゾンならポイント還元本が多数。ヘリガ・カーオ, 岡本 拓司, 有賀 暢迪, 稲葉 肇作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また20世紀物理学史【上巻】―理論・実験・社会―もアマゾン配送商品なら...

コメント