今回は力率について解説します。高校物理ではあまり扱いませんが、理解しておきたいところです。
交流回路ではコイル・コンデンサーでは電力を消費しません。
したがって、回路全体の消費電力は抵抗におけるもので、
RLC直列回路では
RLC並列回路では
RLC直列回路と並列回路では力率の求め方が違うので注意。
それに対して、交流電圧の実効値と電流の実効値の積
皮相電力は単に名目上の電力であり、実際の消費電力ではありません。そのため、単位に W (ワット)は使わず、VA(ボルトアンペア)が使われます。
交流の式はエグいですが、覚えなければならないことはあまりありません。
電磁気の記事は次を参照してください。

力率と消費電力 交流の基礎7
コイル・コンデンサーにおける消費電力の時間平均は 0 です。
参考記事

したがって交流回路では基本的に、抵抗における消費電力についてのみ考えれば良いことになります。
以下、電源電圧の最大値を
また、各素子の電圧・電流のそれぞれの最大値にも各素子を示す記号に添え字
(
例 コイルの電圧最大値
電流最大値
RLC直列回路
全体の電流
全体の電圧
抵抗にかかる電圧
コイルにかかる電圧
コンデンサーにかかる電圧
RLC直列 ・・・ 計算
全体の電流と電圧から計算すると
全体の電流
全体の電圧
時間平均を取るわけだから、
したがって、

つまり、この回路全体の消費電力は
という値になります。この
コイルとコンデンサーでは電力を消費しないため、回路全体での電力は抵抗のみで消費されます。

注:
したがって、
RLC直列 ・・・ 図から
全体の消費電力を考えるには、コイルとコンデンサーの消費電力は 0 のため、抵抗のみについて考えればよい。
抵抗での消費電力は
抵抗を流れる電流は回路全体で共通だから
よって、
また、
抵抗の消費電力のみを考えるわけだから、抵抗にかかる電圧
図から、
(
よって、
直列回路のため、抵抗を流れる電流は回路全体で共通だから
RLC直列 ・・・ 力率
力率
RLC直列回路のインピーダンス
RLC並列回路
全体の電流
全体の電圧
RLC並列 ・・・ 計算
計算をしてみると、
時間平均を取るわけだから、
これはRLC直列回路の場合と同じ式の形になり、
RLC並列 ・・・ 図から
コイルとコンデンサーでの消費電力は 0 だから、抵抗だけを考えればよい。
抵抗での消費電力は、
並列回路のため、各素子にかかる電圧は共通で、
また、
抵抗の消費電力のみを考えるわけだから、抵抗に流れる電流
図から、
(
よって、
並列回路のため、抵抗にかかる電圧は回路全体で共通だから
RLC並列 ・・・ 力率
力率
RLC直列回路のインピーダンス
補 三角関数
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