電磁誘導

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電磁誘導

電磁誘導

コイルと磁石

コイルに対して磁石を動かす、磁石に対してコイルを動かす・・・・こういう場合にコイルには起電力が生じ、回路を作ってやると誘導電流が流れます。

たとえば、コイルを固定して磁石を動かしてやります。

 

そうすると、コイルには誘導起電力が生じます。

逆に、磁石を固定してコイルを動かしても同じことです。

この場合も全く同じように、コイルに誘導起電力が生じます。

しかし、コイルと磁石の両方がともに静止しているような状態、または同じ速度で運動しているような場合は、誘導起電力は起きません。

したがって、コイルからみて磁石が相対的に運動している場合(あるいはその逆)に誘導起電力が起こります。

これらの誘導起電力の向きは、レンツの法則により求めることができます。
また、エネルギー保存則から考えることも可能です。

このあたりのお話は以下の記事を参考にしてください。

レンツの法則とエネルギーの関係
レンツの法則とは 「誘導起電力により流れる誘導電流の作る磁束が、外部からの磁束変化を打ち消す向きに誘導起電力が生じる」です。なんだかわかったようでわからないですが、どういう意味なんでしょうか?実際に問題を解きながらエネルギーも絡めて考えてみましょう。

磁場と導線

次に、固定した磁場の中で導線を運動させても導線の両端に誘導起電力 $V$ を生じます。
導線をつないで回路を作ってやれば、誘導電流 $I$ が流れます。
図では、導線を $v$ の一定の速さになるように、手で引いています。

なお、この時の誘導電流の流れる方向は、レンツの法則にしたがいます
図の場合は、導体棒が図の右に移動するにつれ、抵抗を含むコイル(ループ)を貫く上向きの磁束が増えます。

したがって、このコイルで下向きの磁場を作るような電流が流れる・・・・ということになります。
そこで、右手の法則を用いて親指を下に向けてやるようにすると、他の指の示す方向が誘導電流の流れる方向になります。

エネルギー保存則

当然ですが、電気エネルギーを得るためにはエネルギー保存則(熱力学第1法則)により、どこかからエネルギーを与える必要があります。

このとき手は仕事をするため、その仕事が電気エネルギーとなっていることに注意しましょう。

導体棒は磁場から図の左に向く力を受けています。
そのため、放っておくと導体棒は止まってしまいます。
導体棒は勝手には動きません。

フレミング左手則により導体棒にはたらく力を考えることができます。

そしてそれは図の左側に向きます。

つまり、手は磁場からの力に抗して、図の右側へ力を加え続ける必要があるため、手は疲れます(仕事をします)。

図は力学的な仕事を電気エネルギーに変換する装置(発電機)といえます。

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ファラデー電磁誘導の法則

ファラデー電磁誘導の法則

さて、誘導起電力 $V$ に関する式・・・・ファラデー電磁誘導の法則は次の式で示されます。

$ V=-N\dfrac{\Delta \Phi}{\Delta t}$

ここで、Nはコイルの巻き数、$\Phi$ は磁束、$t$ は時間です。
ということは、 $ \dfrac{\Delta \Phi}{\Delta t}$ は磁束の変化の速さを示しているといえます。

磁束とは、 $\Phi=BS$ で示される量で面積当たりの磁束線総本数を示します。($B$ は磁束密度 $S$ は面積)

つまり、コイル(ループ)を貫く磁束線の増減の変化が激しいほど、誘導起電力は大きいということになります。
導線を引く速さ $v$ が大きければ大きいほど $V$ は大きくなるということですね。

磁場中を運動する導体に生じる誘導起電力

磁束密度 $B$ の磁場中を長さ $l$ の導線が、速さ $v$ で磁場に対して垂直な向きに横切る場合に導体の両端に生じる誘導起電力 $V$ は、

$V=vBl$

で示されます。バーベル ( $vBl$ ) は起電力 $V$ と覚えましょう!

この式を導出してみます。

磁束密度 $B$ の磁場中を長さ $l$ の導線が、速さ $v$ で磁場に対して垂直な向きに横切りながら運動しているとします。

時間 $\Delta t$ の間に導体が移動する面積 $S$ は $\Delta S=v\Delta t \times l$ です。

その場合に、導体の両端に生じる誘導起電力 $V$ は、ファラデー電磁誘導の法則より、

\begin{eqnarray}
V&=&\left|-N\dfrac{\Delta \Phi}{\Delta t}\right| \hspace{2.5cm} (\Phi=BS) \\\\
&=&\left|-1\times \dfrac{\Delta(BS)}{\Delta t}\right| \hspace{1.5cm} (B は一定)\\\\
&=&\left|-\dfrac{B\Delta(S)}{\Delta t}\right| \hspace{2.5cm} (\Delta S=v\Delta t\times l) \\\\
&=&\dfrac{B(v\Delta t\times l)}{\Delta t}\\\\
V&=&vBl\\\\
\end{eqnarray}

これは一種の物理電池?とでもいうべきものです。
つまり、起電力 $V$ の電池と考えて回路計算をしても差し支えありません。

誘導電流 $I$ 、回路抵抗を $R$ とすると、

$I=\dfrac{V}{R}=\dfrac{vBl}{R}$

となります。

導線が磁場に対して斜めに運動する場合

先ほどの式と説明は、導線が磁場に対して垂直に運動する場合です。
磁場に対して斜めに導線が運動する場合は、その速さの磁場に垂直な方向のベクトルの大きさを考えればよいのですが、式を暗記するのではなく、図をよく見て $\theta$ の取り方を間違えないようにしてください。

図の場合は、

$V=(v\sin\theta)Bl=vBl\sin\theta$

となります。

ローレンツ力と誘導起電力

ローレンツ力は磁場中を運動する荷電粒子にかかる力に関する力です。

ローレンツ力
磁場 $B$ 中に電荷 $q$ の粒子が速さ $v$ で、磁場に対して垂直に運動しているとき、荷電粒子が受ける力 $f$ は、

$f=qvB$

で示される。

次の図にあるように、導体中の電子はローレンツ力を受けて導体棒の一端に集まり、$-$ の電気を帯びます。
他の一端は、$+$ に帯電することになります。

そうすると、導体棒の両端に電場が生じ、電子はローレンツ力とは反対向きの力を電場から受けるようになります。
やがて、電場が十分成長するとローレンツ力とつり合うようになり、それ以上の電子の移動はなくなります。

その場合、電場からの力 $f=eE$ と、ローレンツ力 $F=evB$ だから、

$eE=evB$   となり、

$E=vB$    が得られます。

導体棒の長さが $l$ であるならば、 $Ed=V$(EdでV・・江戸でビクトリー  ^^; ) より、$V=El$ ですから、 $E=vB$ を代入して、

$V=vBl$ 

が得られます。

これが磁場中を磁場に垂直に横切る導体棒の両端に生じる誘導起電力 $V$ を示しています。
この導体棒の両端を閉じて回路を作ると誘導電流 $I$ が流れます。
回路抵抗を $R$ とすると、

$I=\dfrac{V}{R}=\dfrac{vBl}{R}$

となります。

ローレンツ力を考えることで、導体棒中の自由電子などのキャリアの運動の向きを考えることができますね。
当然ながら、これはレンツの法則により求めた向きと一致します。

どちらもよく理解しておくことが重要です。

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