半径を1mだけ大きくしたいときその全周はどれだけ増えるのかと、という問いを考えて見ましょう。
さあ次の問いを考えてみてください。
あなたの常識とはかけ離れていませんか?
地球の公転軌道に沿ってロープを張ろう
地球の太陽の周りの公転軌道の全長に沿ってきっちりとロープを張ることを考えます。
簡単のため地球の軌道を真円とみなします。
人類始まっていらのこの大プロジェクトのために長い長いロープが用意されたとしましょう。
これは途方も無い長さです。しかし、再計算の結果ロープが短いことがわかりました。
このままでは、半径が公転軌道よりも $1 \:\mathrm{m}$ 小さい円しか作れない・・・では、あとロープを何メートル足せばよいでしょうか。
地球の公転半径を $1.5 \times 10^{11} \: \mathrm{m}$ とします。
- $1.5 \times 10^{11} \: \mathrm{m}$
- $1.5 \times 10^{11}\times 3.14 \: \mathrm{m}$
- $1.5 \times 10^{11}\div 3.14 \: \mathrm{m}$
- $1.5 \times 10^{6} \: \mathrm{m}$
- $1.5 \times 10^{2} \: \mathrm{m}$
- $6.3\:\mathrm{m}$
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シンキングタイムです!
答え
$6.2 \: \mathrm{m}$ ちょっと
なので $6.3\:\mathrm{m}$ あれば足ります。
地球の公転半径は全く関係ありません。
不思議なことに、円軌道の半径がどれだけであっても、半径を $1 \: \mathrm{m}$ だけ大きくするために足すべきロ-プの長さは、$6.2 \:\mathrm{m} $ちょっとでよいのです。
なぜか? ちょっと計算してみましょう。
半径 $R \:[\mathrm{m}] $ の円として、一周は $2 \pi R \: [\mathrm{m}] $ ですね。$R$ を $(R+1)$ とすれば、
一周は $2\pi (R+1)$ であるので
$$2\pi (R+1)=2 \pi R+2\pi $$
なので 半径 $R$ がいくつであっても足すべきロープの長さは $2\pi \fallingdotseq 6.2 \: \mathrm{m}$ でよいことになります。
すなわち銀河系のまわりに円状にロープを張るときでも、バスケットボールの周りに張るときでも半径を$1\: \mathrm{m}$ 大きくするために必要な足すべきロープの長さは等しく $2\pi \:[\mathrm{m}] $ です。
ちょっと意外な結果ですね。
直感とは全く反しています。
でも計算をすると間違いないことがわかります。
これが数理の力なんでしょうか。
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