RLC直列回路その2 交流の基礎5-2

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RLC直列回路その2 交流の基礎5-2

前回のRLC直列回路を違う観点で再検証します。

 

電磁気の記事は次を参照してください。

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RLC直列回路

コイル・コンデンサー・抵抗を直列に接続した図のような回路を考えます。つなぐ順番は変わっても同じです。念のため。

$V_0=ZI_0$    $V_e=ZI_e$

$Z=\sqrt{R^2 +  \left(\omega L \:-\dfrac{1}{\omega C}\right)^2 }$

 

 

$I=I_0\sin \omega t$  $V=V_0 \sin (\omega t + \phi)$

RLC直列回路を流れる電流と回路全体にかかる電圧の位相差 $\phi$ は、

$\tan \phi = \dfrac{\:\omega L \:- \dfrac{1}{\omega C}\:}{R}$

 

 

コイル・コンデンサー・抵抗にかかる電圧

 

直列回路なので電流は共通です。
回路全体にかかる電圧 $V$ は、抵抗にかかる電圧 $V_R$ ・ コイルにかかる電圧 $V_L$ ・ コンデンサーにかかる電圧 $V_C$ とすると、

$V=V_L+V_C+V_R$

となります。

 

 

各素子を流れる電流は $I=I_0\sin \omega t$ とおくことにします($I_0$ : 最大値)。

位相差

電流が $I=I_0\sin \omega t$ 。
電流と電圧の位相のずれから、各素子の電圧は次のようになります。

ただし、各素子にかかる電圧の最大値をそれぞれ $V_{R0}$ 、 $V_{L0}$ 、 $V_{C0}$ とします。

  • 抵抗 $R$ にかかる電圧 $V_R$ は、電流 $I=I_0\sin \omega t$ と同位相
     $V_R=V_{R0} \sin \omega t$

  • コイル $L$ にかかる電圧 $V_L$ は、電流 $I=I_0\sin \omega t$ に対して $\dfrac{\pi}{2}$ 進んでいる
     $V_L=V_{L0} \sin (\omega t + \dfrac{\pi}{2})$ 

  • コンデンサー $C$ にかかる電圧 $V_C$ は、電流 $I=I_0\sin \omega t$ に対して $\dfrac{\pi}{2}$ 遅れている
     $V_C=V_{C0} \sin (\omega t \: – \dfrac{\pi}{2})$

 

電圧の位相は、おそらく電流に対していくらかの位相のずれ $\phi$ を生じているはずですから、最大値を $V_0$ として、

$V=V_0\sin(\omega t + \phi)$ 

のような形になります。
 (注:$\phi$ は $\dfrac{\pi}{2}$ とは限りません)

 


 

ここまでは前回と同じです。

では、ここで $V=V_L+V_C+V_R$ に各素子の電圧の式を代入します。

 

$V=V_L+V_C+V_R$

$~~~=V_{L0} \sin (\omega t + \dfrac{\pi}{2}) + V_{C0} \sin (\omega t \: – \dfrac{\pi}{2}) + V_{R0} \sin \omega t$

$~~~=V_{R0} \sin \omega t + \left\{V_{L0} \sin (\omega t + \dfrac{\pi}{2}) + V_{C0} \sin (\omega t \: – \dfrac{\pi}{2}) \right\} $

$~~~=V_0\sin(\omega t + \phi)$

これは図でいうと次のようになります。

ここで、三角関数に関する知識から( 補1 参照)

$\sin(\omega t \pm \dfrac{\pi}{2}) = \pm \cos \omega t $

を用います。

$~~~=V_{R0} \sin \omega t +\left( V_{L0} \cos \omega t  – V_{C0} \cos \omega t \right ) $

$~~~=V_{R0} \sin \omega t + \left ( V_{L0} – V_{C0} \right ) \cos \omega t    $

さらに、ここで三角関数の知識から( 補2 参照)

$a\sin \theta + b\cos \theta =\sqrt{a^2 + b^2} \sin (\theta +\phi ) $

(ただし、$ \phi $ は $\tan \phi  =\dfrac{b}{a}$ を満たす)

を用いて、

$V=\sqrt{{V_{R0}}^2 + ( V_{L0} – V_{C0} )^2 } \: \sin (\omega t + \phi )$

とします。

また、

  • $V_{R0}=RI_0$
  • $V_{L0}=\omega LI_0$
  • $V_{C0}=\dfrac{1}{\omega C}I_0$

であるから、これらを代入すると、

$V=\sqrt{{V_{R0}}^2 + ( V_{L0} – V_{C0} )^2 } \: \sin (\omega t + \phi ) $

$~~~=\sqrt{ (RI_0)^2 + ( \omega LI_0 – \dfrac{1}{\omega C}I_0 )^2 } \: \sin (\omega t + \phi ) $

$~~~=\sqrt{ R^2 + ( \omega L  – \dfrac{1}{\omega C})^2 } \: I_0  \sin (\omega t + \phi ) $

 

これとオームの式 $V=RI$ を比較し、回路全体の抵抗成分として、インピーダンス $Z$ を

$Z= \sqrt{ R^2 + ( \omega L  – \dfrac{1}{\omega C})^2 }$ 

とします。そうすると、

$V=\sqrt{ R^2 + ( \omega L  – \dfrac{1}{\omega C})^2 } \: I_0  \sin (\omega t + \phi ) $

$V=ZI_0 \sin (\omega t + \phi )$

回路全体にかかる電圧は $V=V_0\sin(\omega t + \phi)$ となっているはずですから、

両式を比較して、

 

$V_0=ZI_0$

 

また、 実効値 $V_e$ 、$I_e$ として、
$V_e=\dfrac{V_0}{\sqrt{2}}$ $I_e=\dfrac{I_0}{\sqrt{2}}$ より、同様に、

 

$V_e=ZI_e$

 

となります。

ただし、

$\tan \phi = \dfrac{ \: \omega L -\dfrac{1}{\omega C} \: }{R}$

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次回

次回は RLC並列回路を予定しています。

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補 三角関数

補1 加法定理

$\sin(a \pm b)=\sin a \cos b \pm \cos a \sin b$

$\cos(a \pm b)=\cos a \cos b \mp \sin a \sin b$

 

$\sin(\omega t  \pm \dfrac{\pi}{2})=\sin\omega t \cos \dfrac{\pi}{2} \pm \cos\omega t \sin \dfrac{\pi}{2}$

$~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=\pm \cos\omega t \sin \dfrac{\pi}{2}$

 

補2 三角関数の合成

$a\sin \theta + b\cos \theta =\sqrt{a^2 + b^2} \sin (\theta +\phi ) $

(ただし、$ \phi $ は $\tan \phi =\dfrac{b}{a}$ を満たす)

上式の右辺から加法定理より、

 

$\sqrt{a^2 + b^2} \sin (\theta +\phi )=\sqrt{a^2 + b^2} (\sin \theta \cos\phi + \cos \theta \sin\phi ) \:\cdots \cdots \:(\ast)$

 

ここで、 $\tan \phi =\dfrac{b}{a}$ であるから、図を参考に、

$\cos\phi=\dfrac{a}{\sqrt{a^2 + b^2}}$

$\sin\phi=\dfrac{b}{\sqrt{a^2 + b^2}}$

 

 

 

これらを式 $(\ast)$  へ代入すると、

$\sqrt{a^2 + b^2} \sin (\theta +\phi )=\sqrt{a^2 + b^2} (\sin \theta \cos\phi + \cos \theta \sin\phi ) $

$~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=\sqrt{a^2 + b^2} (\sin \theta \dfrac{a}{\sqrt{a^2 + b^2}} + \cos \theta \dfrac{b}{\sqrt{a^2 + b^2}} ) $

$~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=a\sin \theta + b\cos \theta$

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