物理のエッセンス 力学37番
半径 $R$ の円盤から、半径 $r$ の円盤をくりぬいた場合の重心位置を求めます。
解説
図のように座標を考えます。
ここで、
- くりぬく前の円盤の重心を O
- くりぬいた円盤の重心を A
- くりぬいた後の穴の空いた円盤の重心を O’
とします。これらは上図のように $x-y$ 軸をとれば、$x$ 上にのります。
ここでは、
- 円盤をくりぬいた後の穴のあいた物体の質量を $M$
- くりぬいた円盤の質量を $m$
としましょう(下図)。
さて、質量 $m$ の小さい円盤と、質量 $M$ の穴の空いた大きな円盤の2つをもとどおりはめると、くりぬいていない円盤になります。
したがって、その重心は O 点にくるはず・・・・というのが戦略です。
今回は重心公式を用いて考えてみました。
計算をするうえで、重心公式を使うイメージとしては次の図と同じことです。
つまり、
- 質量 $m$ の物体が A(座標 $R-r$)
- 質量 $M$ の物体が O’(座標 $x$)
- それらの重心が O(座標 $R$)
にくる・・・というわけです。
そこで、それぞれの質量を求めるのですが、円盤が均一な材料でできているとすると、質量比は面積比に等しくなります。
なぜなら、円盤の材質の密度 、円盤の厚み、面積には次の関係があるからです。
質量 = 密度 × 体積 = 密度 × (厚み × 面積)
円盤が大きくても小さくても、密度と厚みは同じですから、質量比は面積比に等しくなります。
では、質量比を面積比によって求めます。くりぬいた物体の面積は、 $(\pi R^2 -\: \pi r^2)$ です。
よって、
$M:m=(\pi R^2 – \:\pi r^2) : \pi r^2 = (R^2 -\: r^2) : r^2\:\:\cdots\cdots\:(1) $
また、それぞれの $x$ 座標は
A ・・・ $R-r$ O ・・・ $R$ O’ ・・・ $x$
であることから、重心公式を活用して、
重心公式は
$x_G=\dfrac{m_1x_1+m_2x_2+m_3x_3+\cdots}{m_1+m_2+m_3+\cdots}$
よって、
- 重心 $x_G=R$
- $x_1=(R-r)$
- $x_2=x$
- $m_1=m$
- $m_2=M$
として、
$x_G=\dfrac{m_1x_1+m_2x_2}{m_1+m_2}$
$R=\dfrac{m(R-r)+Mx}{m+M}$
これから
$x=R + \dfrac{m}{M}r$
式(1)から $\dfrac{m}{M}=\dfrac{r^2}{R^2-r^2}$ として代入します(どのように代入してもOKです)。
よって、
$x=R + \dfrac{r^3}{R^2-r^2}$
を得ます。
答えかたですが、この問題では
直線AO上で O より右に $\dfrac{r^3}{R^2-r^2}$ の位置
とでもしておきましょう。
コメント
最後r掛け忘れてませんか?
確かに!
ご指摘ありがとうございます。
このサイトに非常に助けられています。
これからも頑張ってください‼︎
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします!