いまさら聞けない!どうして速度の分解・合成は平行四辺形で考えるのか?

 

物理の勉強の中で、「?」と思うことがあってもどんどん先に進んでいってしまうので、もやもやした気持ちを持ちながら・・・・ということも多いのではないでしょうか。

はじめの段階で学ぶ平行四辺形の法則についてもそういえるかもしれませんね。

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速度の分解

速度の分解を習いましたか?
速度はベクトルだから、平行四辺形を作りましょうね・・・といわれて描いては見たものの、なぜ平行四辺形なのだろうとは思いませんでしたか?

まあ、そういうものなのだろう・・・と思った人もいるかもしれません。
でも速度の分解・合成に関しては納得できるような説明があるのです。

では一緒に考えていきましょう。
まず、そもそもベクトルって何でしょうか?大きさと向きをあわせもつといわれてもピンと来ない人もいるのではないでしょうか。

川と船で考えよう

川での船の動きで考えます。
今、川が流れています。そこをエンジンのついた船が横切る場合を考えましょう。
船は流れのない静かな水面を速さ $v_s$ で進みます。

そうすると、船は $t$ 秒後には $v_s t $ だけ進んだ位置にいます。

まあそうでしょうね。

次に、速さ $ v_r$ で流れている川に船を静かに浮かべます。もちろんエンジンはかけません。流れに身を任せるのです。そうすると船はどんどん流されていってしまいます。

船は $t$ 秒では $v_r t$ だけ川下に流されるでしょう。その位置を $A$ とします。
船は前に進まないのだから当然といえますよね。

では今度は流れる川で、船が前へ進みつつ川を流される場合を考えます。
次の図で、船は本当は $ B $ の位置に行きたいのに、その間 $ OA $ 分だけ川下へ流されるわけですね。

ここで $ OA = BO’ $ でしかも $ OA $ // $BO’ $ です。したがって、船は $ t $ 秒後には $ O’ $ の位置にいることになります。

つまり、船は流れのある川では、岸から見ていると $ OO’ $ と進んだように見えます。

こうしてみると、$O ⇒ O’$ は平行四辺形の対角線になることがわかりますね。
平行四辺形を描いて、その対角線を取るというのはこういうことだったのです。

面白いのは、岸から見ていると船のへさきが進行方向とはずれていることです。
船はスライドしながら進んでいくように見えます。
しかし、あなたが船の上に乗っている場合、船は正しく前へ進んでいるように見えるはずです。

分解してみよう

分解はこの反対を行うため、やはり平行四辺形を描いて考えます。
図の赤い速度ベクトルを青の方向に分解しています。

ただし、この場合は平行四辺形は無限に描くことができます。次図

 

 

したがって、通常は直角方向に分解する方法がよく使われます。

 

 

これが $x$ 成分と $y$ 成分ですね。これらは $sin$ や $cos$ を使って表すことができます。

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