物理のエッセンス 力学32番
- 図のような板にはたらく垂直抗力の大きさと場所
- 力 $F$ を大きくしていく場合、板が浮き始めるときの $F$ の値
を求めます。
解説
剛体の問題を解くには以下のようにします。
基本的に剛体の問題の解き方は決まっています。
それは
- 図を描いて、注目物体にはたらく力をすべてかき入れる。← 最重要
- 力のつりあいの式をたてる
- ある点まわりのモーメントの式をたてる ← ある点はどこでもよい
- 以上の式を連立する
です。
多少の違いはあります(手順2・3などの一部が不要なこともあります)が、基本的にはこのようにすればほとんどの問題の糸口はつかめるはずです。
図を描いて、注目物体にはたらく力をすべてかき入れる。← 最重要
この力をかきいれるのを間違えると、正解にはたどり着くことができません。
最重要といっていいでしょう。
もし、不安があるならまずこの部分を完璧にするために復習をしましょう。
板が着目物体です。
かき込む力は $F$ 垂直抗力 $N$ 重力 $mg$ の3つです。
重力は板の真ん中にかきます。
垂直抗力のはたらく場所を A から $x$ だけ離れた所と仮定します。
ここで垂直抗力のはたらくところは重心 G のところだと思った人はいませんか?
たしかに $F$ がはたらいていない場合では G のところから垂直抗力がはたらきます。
しかし、$F$ を加えると垂直抗力のはたらく位置は机の端に向かってだんだんとずれていきます。
A 端が浮く時には垂直抗力は机の端にはたらきます。
なぜって、そこしか接していませんからね。
力のつりあいの式をたてる
つり合いの式をたてましょう。
$N=F+mg$
ある点まわりのモーメントの式をたてる ← ある点はどこでもよい
ここでは A をモーメント中心とします(どこでもいいのですが、計算が楽になるところにします)
$F\times L + mg \times \dfrac{L}{2} = N \times x$
以上の式を連立する
以上から、
$F\times L + mg \times \dfrac{L}{2} = \left ( F + mg \right ) \times x $
整理して
$x = \dfrac{L(2F + mg)}{2(F + mg)}$
板が傾き始めるときは、垂直抗力の位置は机の端になります。
したがって、
$x=\dfrac{2L}{3}$
これを先ほどの $x$ の式に代入します。
$\dfrac{2L}{3} = \dfrac{L(2F + mg)}{2(F + mg)}$
これを整理して、
$F=\dfrac{1}{2}mg$
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