式がヘンテコでしたので修正しました。m(. .)m
ニュートン運動の法則 $ma=F$ の意味するところについては、物理を学習した人ならよくおわかりのことと思います。
ここでは運動の法則にちなんだちょっとしたクイズをご紹介します。
他にも,楽しい物理のクイズをどうぞ
力学クイズ
クイズです。
次の図の場合、加速度は A,B のどちらが大きいでしょうか、または同じでしょうか、あるいは?
選択肢から一つ選んで下さい。
ただし、台車はどれも質量同じで、摩擦は無視、そして糸の張力はどこでも等しいとします。
選択肢
-
-
- A
- B
- 同じ
- 台車とおもりの質量による
-
答えを見る前にもう一度考えてみましょう。
答え
B です
動画で解説
テキストで解説
なぜ B の方の加速度が大きいのでしょうか?
はたらく力を描き入れた次の図を見て下さい。(緑は重力と垂直抗力)
これら2つの台車の運動は、一見同じだと感じてしまうかもしれません。
しかし、A の方は $10\:\mathrm{N}$ の力で台車以外におもりも加速しなければなりません。
そのため、A の加速度は小さくなり、B の加速度は大きくなるのです。
では、それぞれ運動方程式を立ててみましょう。
おもりの質量をM、台車の質量を m 、A の糸の張力を $T$ 、台車 A の加速度を $a_A$、Bの加速度を $a_B$ とします。
A について
台車: $ma_A=T$
おもり: $Ma_A=10-T$
より、$a_A=\dfrac{10}{m+M}$
B について 台車は $10\:\mathrm{N}$ の力でひかれます
台車: $ma_B=10$ より、
$a_B=\dfrac{10}{m}$
したがって、$a_B>a_A$ となります。
また、$a_A=\dfrac{10}{m+M}$ と $ma_A=T$ から
$T=\dfrac{m}{m+M}\times 10$ となり、これより $T<10$ ですね。
つまり、Aを引く力(張力 $T$ )は $10\:\mathrm{N}$ よりも小さいというわけです。
まとめ
人間の直感などというものはあやしいものです。
物理の試験においても、このような思い込みを利用して間違いを誘導しようとするものが多数あります。
直感で答える前に、ちょっと立ち止まって考える習慣をつけましょう。
コメント
重さ10Nって表記でもうお察し
運動方程式の合力とBの引く力が同一視されてますね。糸の張力がどこでも等しいと謳っているので引く力は合力であるとかことわりが必要ではないかと思います。解答者は誤解しませんか?
この回答だと、Bの糸には張力が発生してないと勘違いする人が出そう。張力か引く力か、どちらかに言葉を合わせるべき。また張力Tでなく張力T(N)と表記した方が親切。